自作小説『スキルマジック』7
「でさ、これらは沙織ちゃんがほとんど飾り付けしたんだぜ?」
「そうなのか! それはすごいな」
「別に凄い事でも何でもないし!」
「それに、とても楽しそうじゃった」
「どこが楽しそうだったって言うのよ!?」
「私が根拠も無しにその様なことを言うと? 沙織よ」
「これが、根拠って奴だよ。裕翔」
和也がスマホを見せてくる。そこに写っていたのは、沙織だった。
『今日は~♪お兄ちゃんの~♪誕生日~♪綺麗に飾って♪もてなっそう♪イェイ』
その中の沙織は最近見る事のない笑顔で変な歌を歌いながら誰がどう見ても楽しそうに飾り付けをしていた。
「……」
「何なのよ!?」
(知らない間にこんなの撮られて、お前も大変だな)
「う~ん。まぁ何だ。ありがとうな」
「もうっ! 本当に何なのよ!」
- + + + + + + +
「「「プレゼントタイム」」」
「「「イェエエイ」」」
「三人で言って、三人で盛り上がる。悲しいな、お前ら」
「お前が喜ぶ素振りすら見せないからだろ!?」
「まあ、そうなんだけどな。フッ」
「殴るぞ?」
「蹴るぞ?」
「日本刀で……殴るぞ?」
「一人だけ狂気的かつ殺人的な発言が!?」