自作小説『スキルマジック』13
(名前か)
何か俺にぴったりの名前とかはないものか。
(しかし、良く再現できるよな)
自分の転送体のモデルを眺めながら、ふと思う。
(特に……髪色とか)
俺は普段黒色の髪だが、実際は白色なのだ。真っ白になのだ。
俺の髪の色素は全く何をしているのだか。
俺は周りと違い自分の髪の色にコンプレックスを抱いていた俺は小学生の時に黒色に染め始めた。
それなのに、このモデルは髪色が白色。
「白い髪……シロカミ……『シロカ』お!? 良くないか?」
『ええ。ピッタリだと思います』
『シロカ』と、3Dの液晶に打ち込んでいく。
『はい。以上で初期設定を終了し、転送を開始します。シロカ様』
「おう」
『このゲームデータは何処に保存したら良いですか?』
「普通にデータ1にしてくれ」
『しかし、データ1は、既にゲームデータが保存されています』
「は? なら、データ2に保存してくれ」
『かしこまりました』
俺はデータ1に何かをセーブした記憶はない。ということは、昔の俺がこのゲームをプレイしていたということだ。そして、そのデータをバックアップしていた。
「ったく。昔の俺は何がしたかったんだ?」
苦笑しながら独りごちる。予想通りこのゲームは俺の記憶に関係がありそうだ。
『転送開始』