自作小説『スキルマジック』12
『ようこそ、【スキルマジック】の世界へ。只今より初期設定を開始します』
俺の目の前に液晶が現れる。
『ではまず、クラスを選択してください』
液晶に浮かび上がる、5体のモデル。
『魔術師ウィザード』
・MPが高いのが特徴のクラス。
・他のクラスでは扱うことのできない【スペル】という魔術を扱ったり、スペルを作り出すことができる。
下にスクロールしていくと、次のクラスの説明が表示される。
『戦士バーサーカー』
・高いHPが特徴のクラス
・ステータスを10倍にする特殊スキル【オーバーストライク】を使うことが可能。
『援護者オペレーター』
・バランスがとれているクラス。
・他のクラスよりスキルを多く習得することが可能。
『守護者ガーディアン』
・防御力が高いのが特徴のクラス。
・守護者専用スキル【オートガード】が使用可能。
・MPを大量に消費する代わりに、一時的に自動ガードをすることができる。
『喰者イーター』
・特異性が特徴のクラス。
・プレイヤーやモンスターに数秒触れることによりプレイヤー、モンスターのMPを『喰らう』ことが可能。
俺は少し考えた後、『オペレーター』を選択した。
沙織の話を聞く限り、和也も一葉もこのゲームをしているらしい。
ならば、その援護役として――。
『次に、種族を選択してください』
「種族?」
『はい。どの種族を選択するかによって、初期のステータスが決められます』
「なるほどな」
『人間』
・最も一般的な種族である。ステータスに変化はない。
・初期スキルとして超音波を飛ばして気配を察知する【サウンド】のスキルを習得することが出来る。しかし、範囲が限られており、半径10メートル以上は察知できない。一回このスキルを使うと3分間は使うことができない。
・オペレーター向き
『獣人』
・獣と人間のハーフの種族。
・HP+100
・攻撃力+20
・バーサーカー向き
『サイボーグ』
・科学力の発達により誕生した人型ロボット。
・知力と耐久力が増加する。
・耐久力とは装備をが壊れにくくなるステータスである。
・知力+20
・耐久力+10
・ガーディアン向き
『妖精』
・優しさの象徴である種族。
・MPが増加する。
・MP+30
・ウィザード向き
『ゴースト』
・全ての種族の怨み、憎しみが具現化した種族。ステータスの変化はない。
・初期スキルとして背景に自分を紛れ込ませる
【ステルス】を習得することが出来る。しかし、攻撃する際には姿を現さないとならない。一度触れられた又は、触れた相手には1分間はステルスを使用しても効果を成さない。
・イーター、オペレーター向き
『巫女』
・女性専用の種族
・【高速発動】のスキルがつく
・ウィザード向き
「ふーむ。これはどうすればいいのか」
選択肢は既に二つまで絞られているのにも関わらず、決めることができない。
どちらのスキルも捨てがたい。ステルスで隠れて援護役をこなすか、センサーにより周囲の状況を判断しそれに応じて援護……。
「悩むな。自分のゲームのプレイスタイルは決まっているのに」
『簡単に考えられてはいかがですか?』
「そうだな」
シンプルに良さげなスキルを。
「ん~そうだな。それじゃあ俺は……『人間』で」
『承知いたしました』
『転送体が決定しました。変更等がないかご確認下さい。身長や、顔は現実世界をモデルとしています故、変更することができません。しかし髪色等は初期設定の後でも変更可能です』
転送体のモデルが表示される。
『 』
・クラス 援護者オペレーター
・種族 人間
Lv.0
・初期ステータス
HP 1000
MP 100
攻撃力 100
知力 100
筋力 100
耐久力 100
・初期スキル
【サウンド】
・加護
『 』
『設定に間違い、変更等はありませんか?』
「質問。この『加護』ってなんなの?」
『それは、マスターだけが使うことが出来るたった一つのスキルです。ゲーム内の教会へ行き、神に祈りを捧げて下さい。そうすれば加護を得られます』
「ああ、そういうこと。なら、もう変更する事はないよ」
『了解しました。最後に転送体の名前を登録してください』