自作小説『スキルマジック』3
「イッテ」
右の頬を優しくさする。が、痛い。
あの後、金属バットを引っ張り出した沙織に戦慄し家を飛び出してきた。現在進行中の目的は沙織の大好物、『唐揚げ様』を購入するべく『ラーソン』に向かっている途中だ。
ドローンに頼んでも良いのだが、こういうのは品物ではなく誠意を込めることが大事だと考えたためだが、こんな夏の日に誰も外に出ないのか、ドローンだけが空を飛び交う状況になってる。
ここ数年で色々な事が変化した。
2037年、日本は急激に科学技術、通信技術等が発達した。
その影響により、AI搭載のロボット『RORO』が
急速に普及。タイプは様々。
例えば、『ドローンタイプ』持ち主の要望の品を自動で配達、配送する事が出来る。
『人型タイプ』コンビニ、工場等で、24時間働いたり、接客などを可能とする。
自動ドアが開き冷房のきいた店内に入る。
『いらっしゃいませ』
聞き慣れた、まさに機械的な声で出迎えてくれる。
「唐揚げ様、北海道チーズ味1つ」
『承りました』
目の前に3Dの液晶が現れる。
ラーソン
唐揚げ様北海道チーズ味×1
お会計218G
宜しいですか?
yes no
俺は『yes』を選択。
これで買い物は終了。数年前までの硬貨は現在では仮想通貨となり、自動引き落とし。
高校も変わった。単位制になったのだ。
俺は現在17歳。普通に単位を取得し、普通に進級しているなら高校2年生だが、もう既に卒業できる単位を取得し終えている。